鐘子は丈との連絡先を交換して、二人で岩手に旅行に行く計画をラインで話しあえる喜びで、心が弾む毎日を送っています。しかし、途中丈にラインを送って既読スル―された鐘子は不安になり、友人に相談します。実はその頃丈は病院にいて、能の診察を受けるために電源を切っていただけでした。すると友人が突然、丈の姉のスペイン料理レストランに行こうと言いだし、押しかけます。食べている途中で丈が現れ、返信ができなかったのは仕事中だったからと言われ、納得します。待ち待った旅行の日、鐘子は朝早くからお弁当を作り、家を出ようとしたところ、大阪出張の賢治に一緒に東京駅まで行こうと誘われ、しぶしぶタクシーに乗ります。東京駅に着き、急いで丈のところへ行こうとしたところへ、賢治がタクシーに忘れていた荷物を届けに、鐘子を呼びとめます。そこで、丈が賢治にやさしくされている鐘子に気付き、その場を去ります。鐘子も急いで跡を追いますが、見つからず、電話しても出てもらえず、結局家に帰ってひどく落ち込みます。一方葉子は、風太の練習を見に行きます。そこに出張先の賢治から電話がかかってきて、話を切り上げようとして電話を切る直前に、風太から「葉子さん」と呼ばれた声を賢治に聞かれてしまいします。丈も、1人落ち込んでいるところに、病院から電話があり、検査結果を聞きに来るように勧められます。丈は脳腫瘍に罹っていて、かなり深刻な状況です。それを分かって死ぬ前にしたいことをするために、丈は日本に帰国していたのでした。したいことの１つが、最後の恋をするために。そして、丈は1人バスで岩手へ向かいます。