TBSの開局50年を記念して日韓で共同製作され、2006年の冬クールに放送されたドラマ「輪舞曲」。チェ・ジウが「冬のソナタ」のフィーバーを受けて日本のドラマに初出演することになり、また竹野内豊とダブル主演を務めた。行方不明の父を探しに日本へやってきたユナ（チェ・ジウ）と、ある事件を追っている日本人刑事ショウ（竹野内豊）が出会い、お互いの秘密を知るうちに恋に落ちていく運命のラブストーリー。ユナの妹ユニ役にはドラマ「美しき日々」で義理の姉妹を演じたイ・ジョンヒョン、秘密組織「神狗」の構成員であるヨンジェにはドラマ「天国への階段」で義理の兄役を演じたシン・ヒョンジュンと、韓国でチェ・ジウが出演した作品にリンクしたキャスティング。これはジウが得意とする「健気で儚くも懸命に生きる女性像」をこの「輪舞曲」でも浮き彫りにさせ、また竹野内側も所属事務所である「研音」から速水もこみちや市川由衣といったフレッシュな人材を投入し、それぞれが作品の世界観を示す化学反応となった。しかしながら、そんな背景から“大型ラブストーリー”と大風呂敷を広げてしまったおかげで、安易ともいえるストーリー展開と作品のテーマがブレまくり、視聴者の反応はイマイチであり「最後まで呆れた作品」とまで一部ではささやかれてしまうことになった。回を追うごとにシュウは韓国人、ユナは日本人であったというエピソードが明かされ、そんな展開に付いていけなくなり、また、ショウは優秀なハッカーの腕前で、ユナはプログラミングの能力に長けるという役柄設定は、ラブロマンスには少し無機質すぎたのかもしれない。